「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」の感想【藤子・F・不二雄異色・SF短編集】
藤子・F・不二雄先生の短編集の感想シリーズ第2弾です。
今回は「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」の感想です。
正義と悪は紙一重
冴えない会社員、句楽兼人(見た目はらーめん大好き小池さん)はある日突然超人的な能力を身に着け、
「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」として正義のヒーローとして活躍するのであった。
とかそんなありきたりな話ではなく、
力を身に着けた句楽兼人は正義の名のもとに「気に入らない人間は悪」と決めつけて徹底的に虐殺する活動を続け、
恐怖で人を支配するようになる。というお話です。
かなりインパクトのあるブラックコメディです(;’∀’)
日本政府も「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」を悪とみなし核攻撃を行うが全く通じず、
横暴さは加速し続ける。
いったい誰が「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」の暴走を止めるのか?
正義と悪は紙一重であることを教えてくれる名作です。
珠玉のオチ
この作品の魅力は落語のようなオチです。
ネタバレなので書きませんが、構成からしてきっとオチから考えたんだろうなという風に思っています。
ドラえもんの「どくさいスイッチ」という道具の話が学校の教材として使われたりしますが、
それと同じようにこの作品は「強すぎる力」はコントロールできないと物凄く危険な存在になる。
ということを教えてくれます。
ただ破廉恥なシーンや残酷なシーンがあるため、学校の教材になることは無いでしょうが…(;´∀`)
周りの人間との関係性が大事
ウルトラ・スーパー・デラックスマンはその強すぎる力ゆえに、
危害を加えるつもりのない会社の親しい同僚からも距離を置かれてしまいます。
そして孤独になっていく寂しさも感じられるのが、この作品のニクイところです。
そんな訳でMONTANAも力で恐怖政治を行うことなく、
楽しさで繋がるバンドになりたいと思います。
ではまた次回♪
