「カンビュセスの籤」の感想【藤子・F・不二雄異色・SF短編集】
「カンビュセスの籤」もまた藤子・F・不二雄の短編集の中で名作と呼ばれている作品です。
悲観的かつ生への執着を感じさせるこの作品は、
一回読むと頭から離れなくなるほどインパクトのある作品です。
カンビュセスとは?
カンビュセスとは紀元前500年ごろに実在したとされるペルシアの国王です。
在位していた期間も短いため、あまり有名な歴史上の人物ではないかもしれませんが、
作品を読むことでこの頃の歴史的背景も分かるようになっています。
ちなみにこの作品は子供に読ませるとトラウマになると思うので、
子供の読み物としてはおススメしません…( ;∀;)
カンビュセスの籤の内容(ネタバレ注意!)
カンビュセスの兵隊だったサルクとその仲間たちは戦火の中飢えに苦しんでいた。
飢餓に耐えられなくなった仲間は籤引きを行い、選ばれた人間を食料として食べるほど追い詰められていた。
自分が食料にされる番が周ってきたとき、サルクは恐怖にかられ逃亡する。
すると知らぬ間にタイムトンネルを抜け23万年後の未来に辿り着いてしまった。
そこにはエステルという女性がいて食料や寝床を親切に与えてくれた。
サルクは地獄を抜け出したと心から喜んだが、
そこは前世界と変わらぬ絶望的な状況だった…
というような話です。
気になったらとりあえず読んでみよう!(;’∀’)
この作品から学ぶこと
やはり「生存本能」ですね。
何のために生きるのかということを人間的にではなく、
生物学的に捉えて考えさせてくれる作品です。
また一見絶望的な話にも見受けられますが、
生への希望をもって最後の最後まで抗う、
人間の強さも感じることができます。
(こんな状況下で正気でいられるのは凄いことだと思います…)
「約束のネバーランド」の第2期が放送開始しましたが、
この作品とテーマ的に似たものを感じます。
諦めない精神を描写するために、
あえて絶望的な環境の物語を描くことは、
作者の精神力がとても強くないとできないだろうな思います(;´∀`)
諦めない精神が未来を作る♪
最終的にはポップに解釈してこう捉えています。
絶望のなかでも0.01%の可能性にかけられる人が、
歴史を紡いでいくんだなあと思います。
MONTANAもコロナ禍の中で、
苦境に追い込まれることがしばしばありますが、
諦めない精神を持って活動を続けていきたいと思います♪
ではまた次回!
